胃は主に食べ物を殺菌し、消化吸収しやすい形に整える働きをしています。
この働きが、慢性的に弱っている状態のことを胃弱といいます。
東洋医学では胃腸の働きが悪くなったり、腸内環境が悪化したりすると、 全身に必要なエネルギーを補うことができなくなります。
全身にエネルギーが満たされていない状態では、疲れやすい、 むくみや冷え、頭痛、肩こりなどの症状を招いてしまいます。
また、代謝も悪くなり、肌のトラブルや肥満にもつながります。
胃弱による体の不調
・西洋医学でも胃腸は人体最大の免疫器官とされ、胃腸が弱ると 腸内の免疫細胞に影響が及び、免疫力が低下することが 分かっていて
カゼなどの病気にかかりやすくなります。
・食べ過ぎや就寝直前に食事を摂ると睡眠中にも胃腸が働くことになるため、安眠の妨げになります。
・胃腸肌と関係があるため、胃腸の働きが悪いと肌荒れやたるみ原因になります。
・胃腸の不調は腎に悪影響が及び、ホルモンバランスが乱れて月経異常や腰痛、全身の冷えを招き、腎は老化ともかかわりが深くしみ、しわなどを引き起こすきっかけにもなります。
・胃腸の働きが弱っていると筋肉に栄養が行きわたらなくなり、血行が滞ったり肩こりの原因になります。
胃の不調の原因として
胃の不調は様々な要因が考えられますが、大きく分類して紹介したいと思います。
疾患による原因
内視鏡等で発見されるもので胃の疾患によって不調になるケースです。「胃潰瘍・十二指腸潰瘍」「逆流性食道炎」「急性胃炎・慢性胃炎」、胃ではないですが「急性膵炎・慢性膵炎」などもお腹の不調を訴える原因としてあげられます。
自律神経の不調によるもの
自律神経は内臓の働きに大きく影響してきます。自律神経のバランスが崩れている時には胃や消化器系の働きが低下して胃の痛みや不快感を呈します。
その他原因不明のもの
内視鏡検査などをおこなっても原因がわからないものもあります。上記の自律神経由来もそうですが、その他ですと「機能性ディスペプシア」「呑気症(空気嚥下症)」などがあります。これらはお薬などで改善されないケースも多く、鍼灸治療が適応の疾患です。
胃の健康と栄養
脂っこい食事やストレスなど、日常生活では何かと胃に負担がかかることが多いため、 毎日の食生活で胃の粘膜を丈夫にする良質なタンパク質やビタミン、 ミネラルなどをバランスよくとることが大切です。
1、胃酸の分泌を抑えるビタミンU
ビタミンUはキャベツから発見されたビタミンです。
食べ過ぎやストレスなどで胃液が過剰に分泌され、胃酸過多の状態になると、 胃酸が胃の粘膜を自己消化してしまい、 様々な胃のトラブルを招きます。
ビタミンUにはこのような胃酸の過剰な分泌を抑える働きがあるのです。
また、胃の粘膜の新陳代謝を活発にし、さらに粘膜を修復する タンパク質の合成を促進する働きもあるとされています。
多く含まれる食品にはキャベツはもちろん、レタス、セロリ、アスパラガスなどがあります。
ただし、これらの食品は胃に負担をかける食物繊維も多いので、 胃が弱っているときにやみくもに食べるのは禁物です。
加熱すれば繊維はやわらかくなりますが、ビタミンUは熱に弱いので、 キャベツなどを生ジュースにするのが効果的な摂り方です。
2、胃を活性酸素から守るオレイン酸
体内の新陳代謝などによって生じる活性酸素も、胃の粘膜を痛める悪玉成分のひとつです。
モノ不飽和脂肪酸であるオレイン酸には、この活性酸素の働きを弱める抗酸化作用があり、胃のためにひと役かっています。
オレイン酸はオリーブ油や採種を原料にしたキャノーラ油などに多く含まれています。
とはいえ、油脂類は消化も悪く、エネルギー値も高いのでとりすぎはいけません。
いつもの炒め物やドレッシング作りに使う油などをオリーブ油に変える程度でもよいでしょう。
さらに、ビタミンAやC、Eなどを合わせてしっかりとれば、これらのビタミンそのものがオレイン酸と同じ抗酸化作用を持つうえ、体内でオレイン酸が酸化するのを防ぐこともできます。
3、胃を守るホルモンに変わるIPA
IPA(エイコサペンタエン酸)はEPAとも呼ばれていたもので、 あじやさばなど青魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸のひとつです。
IPAは体内でプロスタグランジンというホルモンに変わりますが、 このプロスタグランジンには、胃液の分泌を調整し、 胃の粘膜を保護する働きがあるのです。
当院での治療について
細菌やウイルス、その他病気にて引き起るものでなければ適応となります。
当院でおこなう自律神経調整と骨盤調整により胃の不快感等が軽減することが見込めるでしょう。
1~2回程度で楽になる方も少なくありません。胃など消化器が弱っている場合はお灸も加えると機能が高まりやすくなります。
もしもご不明な点などありましたら一度当院にご相談下さい。
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